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平成27年から「相続税」はこうなった!

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1. 改正「相続税」のしくみ

新相続税の計算方法

相続税額は、次のように計算する。

  • ①正味の遺産総額を求める
  • まず、相続財産の総額から債務及び葬式費用を控除する。 相続財産の総額とは、本来の相続財産とみなし相続財産と相続時精算課税対象財産と相続開始前3年以内の贈与財産を合計したものをいう。
  • ②課税遺産総額を求める
  • 次に正味の遺産総額から相続税の基礎控除を差し引く。この金額を課税遺産総額という。
  • ③法定相続分の金額を求める
  • 課税遺産総額を各相続人が法定相続分に応じて取得したものとする金額を求める。
  • ④相続税の総額を求める
  • ③で求めた金額に対する税額を相続税の速算表に当てはめて算定する。これを合計したものが、相続税の総額である。 相続税の総額は、相続財産を実際にどのように分割したかとは関係なく、機械的に求めていくものである。
  • ⑤各相続人が取得した財産額に応じて按分する
  • ④の相続税の総額を実際に相続した課税財産額で按分する。
  • ⑥税額控除を差し引く
  • 配偶者に対する相続税額の軽減、贈与税額控除、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除、在外財産に対する控除などの税額控除を差し引く。
  • ⑦納めるべき相続税額
  • こうして求めた金額が、各相続人の相続税額である。

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基礎控除はこうなった

相続税には、基礎控除(正確には遺産に係る基礎控除額という)というものが定められている。正味の遺産総額がこの額までであれば相続税はかからないという額であるが、今年度の税制改正においては、これが、次のように減額されることとなった。(平成27年1月1日以後の相続に適用)

現行 5,000万円+1,000万円×法定相続人数
改正後 3,000万円+600万円×法定相続人数

つまり、4割カットで、6割に縮減されてしまったということだ。こんなに一気に下げられたら、都心にチョッとした自宅を持っている人は、すぐに超えてしまう。ということで、小規模宅地の減額特例が改正され、対象面積が広げられ、調整が図られた。
なお、この場合の法定相続人数は、相続人のうちに相続を放棄した者がいたとしてもその放棄がなかったものとした場合における法定相続人の数となり、被相続人の養子が2人以上いる時は、被相続人に実子がいる時は1人、実子がいない時は2人をその法定相続人の数に加えた数になる。

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法定相続分って?

法定相続分とは、民法に規定されているもので次の相続分をいう。相続人によってその相続分は違っている。

相続人 法定相続分
配偶者と子(子の代襲相続人) 子(子の代襲相続人):1/2 (数人いる場合は等分)
※非摘出子は摘出子の半分(注)
配偶者:1/2
配偶者と父母(祖父母) 配偶者:2/3
父母(祖父母):1/3(数人いる場合は等分)
配偶者と兄弟姉妹(その代襲相続人) 配偶者:3/4
兄弟姉妹(その代襲相続人): 1/4(数人いる場合は等分)
(父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹は、父母の両方を同じくする兄弟姉妹の半分)

(注)非摘出子が摘出子の半分になっていることについては、平成25年4月1日現在、最高裁で違憲ではないかと検討されているところである。

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法定相続分と違う遺産分割は有効か?

相続のご相談を受けていると、「相続財産って法定相続分どおりに分割しないとだめなんでしょ」という質問をよく受ける。
法定相続分は、民法で認められた相続人の権利ではあるが、必ずしも、その割合どおりに分ける必要はない。配偶者が全部相続してもいいし、財産をもらわない相続人がいてもいい。相続人全員で分割協議をして、自由に分割すればいいのである。

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養子には人数制限がある!?

相続税には、法定相続人数1人あたり600万円(改正前1,000万円)の非課税枠があるし、相続税額の総額は、法定相続分で按分した財産の額を基に計算する・・・ だったら「法定相続人を増やせば節税になるじゃないか」ということで、息子の嫁や孫をたくさん養子に入れて節税するということが過去に横行した。
そんなことをしたもんだから、養子を何人入れても結構、でも、基礎控除を計算する際の法定相続人の数や相続税額の総額を計算する場合の法定相続人の数は制限するよ、ということに現在は、次のようにその法定相続人の数に算入できる人数が制限されてしまっている。

ケース 法定相続人の数に算入できる養子の人数
被相続人に実子がいる場合 1人
被相続人に実子がいない場合 2人
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税率はこうなった

税率は、次のように改正されることになった。(平成27年1月1日以後の相続に適用)
税区分が6段階から8段階に細分化され、最高税率が50%から55%になった。2億円超部分は増税である。

現 行 改 正 後
各相続人の法定相続分相当額 税率 各相続人の法定相続分相当額 税率
1,000万円以下の金額 10% 1,000万円以下の金額 10%
3,000万円以下の金額 15% 3,000万円以下の金額 15%
5,000万円以下の金額 20% 5,000万円以下の金額 20%
1億円以下の金額 30% 1億円以下の金額 30%
  2億円以下の金額 40%
3億円以下の金額 40% 3億円以下の金額 45%
  6億円以下の金額 50%
3億円超の金額 50% 6億円超の金額 55%
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相続税が割高になる相続人がいる!?

税金って、みんな公平だって思っていないかな? 基本はそうなんだけど、相続税ではそうではない。
相続税では、配偶者及び一親等の血族(子又は親、代襲相続人は含まれるが、孫養子は除かれる)以外の者が民法が定める相続人(相続の順位)でないのに相続する場合は、相続税が2割も高くなることとなっている。
これは、タナボタで財産をもらう、もしくは、一代飛ばしで相続するのだから少し負担を重くしようという理由で割高になっているのである。ただし、その人の相続税額がその人の相続税の課税価格の7割相当額を超える場合は、7割相当額が限度とされている

【相続税額が2割加算される人】
点線で囲った人以外は、相続税額が2割加算されます。

相続税額が2割加算される人
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配偶者に相続させると有利!?

相続税では、配偶者に対して税額を軽減してくれる特例がある。これを「配偶者に対する相続税額の軽減」という。
この特例は、①配偶者が被相続人の財産形成に寄与してきたこと、②配偶者の老後の生活保障、③配偶者の相続がそう遠くないであろうという観点から規定されている。
軽減される税額は、次のとおり。

①配偶者の課税価格が1億6千万円、又は②共同相続人、受遺者の相続税の課税価格の合計額に配偶者の法定相続割合を乗じて算出した金額とのいずれか多い金額を限度として、配偶者の相続税額から控除される。ただし、この規定の適用を受けるには、次の要件を満たさなければならない。

①相続税の申告期限(相続開始後10ヶ月)までに、遺産分割が終わっていること(未分割であっても、申告期限から3年以内に分割をすれば、更正の請求という手続をすることによって、この規定の適用が受けられる)

②この規定の適用を受ける旨の記載された相続税の申告書を提出すること(課税価格の合計額が1億6千万円以内なので、この規定の適用を受けたら相続税がかからないという場合であっても、申告書は提出しなければならないので注意が必要である)

なお、この規定は、仮装・隠蔽した財産には適用がないことになっているので、「相続財産から除外しておいて、あとでバレたらこの規定の適用を受けて課税逃れをしよう」としても、それは認められない。

ところで、配偶者は法定相続分を相続するのがいいのか、それとも1億6千万円を相続するのがいいのか、よく聞かれるところだが、これは、配偶者が持っている財産の額によって違う。つまり、次(配偶者)の相続税がいくらになるのか、今回の相続税額と合計するとどちらが有利なのかは、シミュレーションしてみて始めてわかるというものなのである。
税金を安くと思うなら、分割を検討する際に、次の相続のシミュレーションもする必要があることを覚えておこう。

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相続財産でもないのに相続税がかかるものもある!?

相続税は、民法の規定の上に乗っかって定められている。そんなことから、民法に規定する相続財産(本来の財産)は相続税でも相続財産になるのだが、相続税では、民法に定めのないものについても、その財産価値に着目して、相続税を課することとしている。この財産のことを「みなし相続財産」という。
みなし相続財産には、次のものがある。

  • ①被相続人の死亡により受け取る生命保険金等
  • 被相続人の死亡により、相続人等が受け取る保険金等で、被相続人が保険料等を負担していたもの
  • ②被相続人に支給されるべきであった退職金等
  • 被相続人の死亡により、相続人等が受け取る被相続人に支給されるべきであった退職金等で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したもの
  • ③生命保険契約に関する権利
  • 相続開始の時において、まだ保険事故が発生していない生命保険契約で、被相続人が保険料等を負担し、かつ、被相続人以外の者が生命保険の契約者となっているもの
  • ④定期金に関する権利
  • 相続開始の時において、まだ保険事故が発生していない定期金給付契約(③に該当するものを除く)で、被相続人が掛金等を負担し、かつ、被相続人以外の者が定期金給付契約の契約者となっているもの
  • ⑤保証期間付定期金に関する権利
  • 定期金給付契約で、定期金受取人に対しその生存中又は一定期間にわたり定期金を給付し、かつ、その者が死亡した時はその遺族に支給されるもの
  • ⑥契約に基づかない定期金に関する権利
  • 被相続人の死亡により、相続人等が受け取る定期金に関する権利で契約に基づかないもの(恩給法の規定による扶助料に関する権利を除く)
  • ⑦贈与税の納税猶予の適用を受けた農地等
  • 農地等を贈与した場合の贈与税の納税猶予の特例の適用を受けた贈与者が死亡した場合におけるその特例の対象となった農地等
  • ⑧特別縁故者に対する分与財産
  • 相続人の不存在により、特別縁故者が受ける分与財産
  • ⑨遺言による財産の低額譲渡
  • 遺言で著しく低い対価で財産の譲渡が行われた場合のその時価と対価との差額の相当する利益(その譲渡が、その譲渡を受けた者が資力を喪失して債務を弁済することが困難な場合に、その扶養義務者からなされたものは除かれる)
  • ⑩遺言による債務免除
  • 遺言で債務の免除、引き受け又は第三者弁済等がなされた場合のその利益相当額(その債務の免除、引き受け又は第三者弁済等が、その利益を受けた者が資力を喪失して債務を弁済することが困難な場合に、その扶養義務者からなされたものは除かれる)
  • ⑪遺言によるその他の経済的利益
  • 遺言により特別な利益を受けた場合におけるその利益相当額
  • ⑫遺言による信託に関する権利
  • 遺言により信託の受益者等が受けるその信託に関する権利
  • ⑬特別の法人から受ける利益
  • 持分のない法人(持分の定めのある法人で持分を有する者がないものを含む)への遺贈により受ける特別の利益

相続税では、相続人がこれらの財産を取得した場合には「相続」と、そして、相続人以外の者が取得した場合には「遺贈」により取得したものとして取り扱われることとなっている。なお、これらのみなし相続財産は、民法上の本来の相続財産ではないため、遺産分割の対象に含めないこととなっている。

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小規模宅地の減額特例はこうなった

小規模宅地等の減額特例とは、残された相続人が生活をしていく上で必要であろうと思われる土地につき、一定の評価減を認めてくれる特例である。
概要は次のとおり。

【小規模宅地等の減額特例】

小規模宅地等の内容 減額割合 対象面積
特定事業用宅地等(不動産貸付用は除く)
イ.被相続人の事業用宅地等で次の要件のすべてに該当するもの
①その宅地上で営まれていた被相続人の事業をその親族が相続税の申告期限まで承継していること
②その親族が相続税の申告期限までその事業を営んでいること
③その親族がその宅地等を相続税の申告期限まで保有していること

ロ.被相続人と生計を一にする親族の事業用宅地等で次の要件のすべてに該当するもの
①その親族が相続開始前から相続税の申告期限までその宅地上で事業を営んでいること
②その親族がその宅地等を相続税の申告期限まで保有していること
80% 400m²
特定住居用宅地等
イ.被相続人の住居用宅地等で次のいずれかの者が相続した宅地
①配偶者
②次のすべての要件に該当する①以外の親族
 ・相続開始直前においてその宅地上の家屋に被相続人と同居していること
 ・相続税の申告期限までその家屋に住居していること
 ・その宅地等を相続税の申告期限まで保有していること
③次の要件のすべてに該当する①以外の親族(日本国籍を有しない者を除く)
 ・被相続人の配偶者又は相続開始直前において被相続人と同居していた法定相続人がいないこと
 ・相続開始前3年以内に日本国内にある自己又は自己の配偶者の所有する家屋に住居したことがないこと
 ・その宅地等を相続税の申告期限まで保有していること

ロ.被相続人の居住用宅地等で次のいずれかの者が相続した宅地
①配偶者
②次のすべての要件に該当する①以外の生計を一にしていた親族
 ・相続開始前から相続税の申告期限までその宅地上の家屋に居住していること
 ・その宅地等を相続税の申告期限まで保有していること
80% 240m²
(330m²に改正)
同族会社の事業用宅地等(不動産貸付用は除く)で次の要件のすべてに該当するもの
イ.相続開始直前において被相続人及びその親族、これらと特殊関係にある者が株式等の50%超を有する会社の事業の用に供されていること
ロ.その宅地等を取得した親族が、相続税の申告期限において、その会社の役員であること
ハ.その親族が相続税の申告期限までその宅地等を保有し、引き続きその会社の事業の用に供していること
80% 400m²
国営事業用宅地等 80% 400m²
上記以外の小規模宅地等(不動産貸付用など) 50% 200m²

平成25年度の税制改正では、この小規模宅地の減額特例の対象となる面積等の見直しが行われ、次のようになった。これは、基礎控除が少なくなり、税率が上がることによって、都心に宅地を持つ納税者の負担が大きくなることに対する一つの調整措置といえる。

特定居住用宅地等に係る特例の適用対象面積を240m²から330m²までに拡充する。
特例の対象として選択する宅地等の全てが特定事業用宅地等及び特定居住用宅地等である場合には、それぞれの適用対象面積まで適用可能とする。ただし、貸付事業用宅地等を選択する場合おける適用対象面積の計算は、現行どおり、調整が行われる。
一棟の二世帯住宅で構造上区分があるものに被相続人及びその親族が各独立部分に居住していた場合には、その親族が相続又は遺贈により取得した敷地の用に供されていた宅地のうち、被相続人及びその親族が居住していた部分に対応する部分が特例の対象となる。
老人ホームに入所したことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋の居住の敷地の用に供されていた宅地等は、次の要件が満たされる場合に限り、特例が適用される。
イ 被相続人に介護が必要なため入所したものであること
ロ その家屋が貸付等の用途に供されていないこと

(注)①②は平成27年1月1日以後、③④は平成26年1月1日以後の相続から適用される。

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相続開始前3年以内の贈与には相続税が!?

相続税法では、相続又は遺贈(死因贈与を含む)により財産を取得した者が、その相続に係る被相続人から相続開始前3年以内に贈与により取得した財産がある時は、その贈与により取得した財産の価額をその者の相続税の課税価格に加算した価額を相続税の課税価格として相続税額を計算し、その計算した相続税額からその贈与財産につき課せられた贈与税額相当額を控除した金額をもって、その者の相続税額とすることとなっている。
ただし、この場合の相続税の課税価格に算入する贈与財産の価額は、相続時の価額ではなく、贈与時の価額によることとされている。つまり、相続人にした相続開始前3年以内の贈与は、相続時に相続財産として取り込まれたうえで相続税額を計算し、そこから贈与時に納めた贈与税相当額を差し引いて、納めるべき相続税額を求めるのである。
ただし、相続開始前3年以内にした贈与でも、次のものは対象にならないこととなっているので、もしも直前対策を考えたいと思うのであれば、次の贈与を検討してみるとよい。

①相続人以外にする贈与
②贈与税の非課税財産
③特定障害者扶養信託として贈与税が非課税となるもの
④婚姻期間が20年以上である配偶者に対する居住用不動産又はその取得資金のうち次の部分の金額
 イ 相続開始の年の前年以前の贈与で、贈与税の配偶者控除の適用を受けて控除された金額(最高2,000万円)
 ロ 相続開始の年にされた贈与で、贈与税の配偶者控除があるとした場合に控除されることとなる金額(最高2,000万円)

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生命保険金の非課税枠はどうなった?

生命保険金は、みなし相続財産として相続税の対象になるが、生命保険金には次の非課税枠が認められており、その超えた部分の金額だけが相続税の対象になることとなっている。

生命保険金の非課税金額=500万円×法定相続人数

この非課税枠、民主党政権時代の税制改正案では、未成年者、障害者又は相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者に限り法定相続人数に含めることとするとされていたことから、平成25年度の税制改正では、この非課税金額が縮減されるのではと注目されていたが、最終的には改正なし、これまでどおりとなった。
なお、算式の法定相続人数は、相続人のうちに相続を放棄した者がいてもその放棄がなかったものとした場合の法定相続人の数により、被相続人に養子が2人以上いる時は、実子がいるときは1人、実子がいない時は2人を法定相続人の数に算入することとなっている。また、この規定は相続人に限り適用があるものなので、相続を放棄した者については適用がない。

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税額から控除してくれるもの

相続税には、相続人の担税力や公平な税負担の観点から、税額から一定の金額を控除してくれる規定がある。次の規定だ。

①配偶者に対する相続税額の軽減
②贈与税額控除
③未成年者控除
④障害者控除
⑤相次相続控除

被相続人が亡くなる10年以内に開始した相続で税額を負担している時は、次の算式で計算した金額が相続税額から控除される。これを相次相続控除という。ただし、相続を放棄した者や廃除等で相続権を失った者には適用がない。

A×C÷(B-A)×D÷C×(10-E)÷10=各相続人の控除額

A:被相続人が一次相続(前の相続)で課された相続税額
B:一次相続により被相続人が取得した財産の価額
C:今回の相続によって取得した財産の価額の合計額
D:今回の相続によって各相続人が取得した財産の価額
E:一次相続から今回の相続までの年数(1年未満端数切捨て)
(注)C÷(B-A)が1を超えるときは1として計算する。

⑥外国税額控除
国外で相続税と同様の税が課せられた場合には、その税額のうち一定の算式で計算した金額を相続税額から控除してくれる。これを外国税額控除(正確には在外財産に対する相続税額の控除)という。控除される税額は、原則として、国外で課された相続税額であるが、次の算式で計算した金額を超える部分は控除されないこととなっている。

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未成年者の恩典はこうなった

相続人が未成年者であるときは、未成年者控除(税額控除)の適用が受けられる。適用が受けられる要件は、次のとおり。

①法定相続人であること
②日本に住所を有していること
③20歳未満であること

控除できる金額は、次の算式で計算した金額であるが、平成25年度の税制改正では、その額が引上げられることになった。

未成年者控除額=【20歳-その者の年齢(注1)】×10万円(注2) (現行6万円)

(注1)1年未満の端数は1年とする。
(注2)平成27年1月1日以後の相続から適用される。

 

ただし、今回の相続以前の相続で、この規定の適用を受けている場合には、前回の相続で控除できなかった金額が限度とされる。
なお、未成年者の算出税額から未成年者控除をしても、なお控除不足があるときは、その額をその者の扶養義務者の相続税額から控除できることとなっている。

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障害者の恩典はこうなった

相続人が障害者である時は、障害者控除(税額控除)の適用が受けられる。適用が受けられる要件は、次のとおり。

①法定相続人であること
②日本に住所を有していること
③障害者であること

この場合の障害者とは、精神上の障害により事理を弁職する能力を欠く常況にある者、失明者その他の精神又は身体に障害がある一定の者をいい、特別障害者とは、障害者のうち心身又は身体に重度の障害がある者で一定の者をいう。
控除できる金額は、次の算式で計算した金額であるが、平成25年度の税制改正では、その額が引上げられることになった。

障害者控除額=【85歳(注1)-その者の年齢(注2)】×10万円(注3) (現行6万円)、特別障害者は20万円(注3) (同12万円)

(注1)平成22年3月31日以前の相続については70歳として計算する。
(注2)1年未満の端数は1年とする。
(注3)平成27年1月1日以後の相続から適用される。

ただし、今回の相続以前の相続で、この規定の適用を受けている場合には、前回の相続で控除できなかった金額が限度とされる。
なお、障害者の算出税額から障害者控除をしても、なお控除不足があるときは、その額をその者の扶養義務者の相続税額から控除できることとなっている。

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贈与なのに相続税がかかるものって!?

贈与だけど贈与税がかからず、相続税がかかるものがある。この贈与を死因贈与という。
死因贈与は、贈与者の死亡により効力を生ずる贈与であるが、民法では、「贈与者の死亡に因りて効力を生ずべき贈与は遺贈に関する規定に従う」としていることもあって、相続税においても贈与ではなく、遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む)として取り扱うこととなっている。
したがって、死因贈与により財産を取得した者は、遺贈によって財産を取得した場合の規定に従って手続をすることになる。

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遺贈と贈与、どう違う?

遺贈とは、遺言によって財産を無償で他人に与える行為をいい、遺言者の死亡によってその効力が生じるものである。一方、贈与とは「贈与者」と「受贈者」とで交わす財産の無償譲渡契約であり、契約を交わすことによって効力が生じるものである。
遺贈と贈与は、財産を無償で他人に与えるという点では似ているが、遺贈は遺言者の単独行為であり、死後行為であるのに対して、贈与は財産をあげる者ともらう者との契約であり、生前行為であるという点で違いがある。
相続税法では、相続又は遺贈により財産を取得した場合に相続税を課すこととしていることから、「遺贈」により財産を取得した場合には、贈与税ではなく相続税が課せられることとなる。
遺贈には贈与の「贈」が含まれていることから、贈与の一種では、と思われるかもしれないが、贈与税ではなく、相続税の対象になる。

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相続と遺贈、どう違う?

遺贈とは、遺言によって財産を無償で他人に与える行為をいう。したがって、誰に対する遺贈であっても遺贈に変わりないのであるが、相続税法では、法定相続人に対する遺贈を「相続」、法定相続人以外の者に対する遺贈を「遺贈」として区分しており、「遺贈」によって財産を取得した者に対しては、次のような取扱いをすることとなっている。

  • ①債務控除
  • 特定受遺者(特定した財産の遺贈を受けた者)は、特定遺贈財産とヒモ付きにある債務については控除できるが、通常の債務控除はできない。一方、包括受遺者(包括して財産の遺贈を受けた者)は、通常どおり債務控除することができる。
  • ②未分割財産に対する課税
  • 相続財産の全部又は一部が未分割の場合は、各共同相続人又は包括受遺者は、法定相続分又は包括遺贈の割合に従って財産を取得したものとして課税価格を計算することになる。
  • ③生命保険金の非課税
  • 相続を放棄又は相続権を失った法定相続人が受け取った生命保険金は、「相続」ではなく「遺贈」により取得したものとされ、生命保険金の非課税規定の適用はない。
  • ④退職手当金の非課税
  • 相続を放棄又は相続権を失った法定相続人が、被相続人の死亡によって被相続人に支給されるべき退職手当金を受け取った場合は、「相続」ではなく「遺贈」により取得したものとされ、退職手当金の非課税規定の適用はない。
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相続税の申告と納付は

相続税の申告書は、納付すべき相続税額がある場合や配偶者の相続税額の軽減を受ける場合に、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の住所地を所轄する税務署長に提出しなければならない。

申告期限 相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内
申告書の提出先 被相続人の住所地を所轄する税務署

この場合において、相続人が2人以上いる場合は、共同して申告書を提出することができることとなっており、この場合には、同一の申告書に連署して申告することになる。
税金は、申告書の提出期限までに納付しなければならない。原則として、金銭納付であるが、金銭納付が困難な場合には、特例的に延納又は物納という制度が認められている。

①延納

延納の概要 金銭納付が困難な場合に、担保を提供して最長20年まで延納が認められる
物納の要件 ・納付すべき税額が10万円を超えていること
・担保を提供すること
(延納税額が50万円未満で、かつ、延納期間が3年以下の場合は除く)
・相続税の納期限までに延納申請書を提出すること

②物納

物納の概要 延納によっても納付が困難な場合は、相続税の対象となった財産のうち一定の要件を満たすものを物納に充てることができる
延納の要件 ・延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があること
・相続税の納付期限までに物納申請書を提出すること
物納できる
財産と順位
①国債及び地方債
②不動産及び船舶
③社債及び株式並びに証券投資信託又は貸付信託の受益証券
④動産(登録美術品については、①や②と同順位とすることも認められる
収納価額 原則として相続時の価額
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申告納付までのスケジュール

相続税を申告するまでのスケジュールは、次のようになっている。

相続税の申告等予定表
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相続人が相続税を払わないと?

相続人が相続税を払わないとどうなるか。
相続税では、連帯納付義務というものが課せられている。したがって、相続人が相続税を納付しない時は、他の相続人が、その相続又は遺贈により受けた利益の額を限度としてその相続人に代わって相続税を納めなければならず、その者がその連帯納付義務のある相続税を納めないで死亡した場合には、その者の相続人に連帯納付義務が課せられることとなっている。
ただし、平成24年4月1日以後に申告期限が到来する相続税については、次の場合において、連帯納付義務を負わないこととなっている。

①相続税の申告期限から5年を経過する日までに、税務署長が連帯納付義務者に対して、連帯納付に係る納付書を発していない場合
②本来の納税義務者が延納の許可を受けた場合
③本来の納税義務者が一定の納税猶予の適用を受けた場合

また、相続税の計算の基礎となった財産を、贈与、遺贈もしくは寄附行為により移転した場合には、その贈与もしくは遺贈により財産を取得した者又は寄附行為により設立した法人は、その贈与、遺贈もしくは寄附行為をした者のその財産を相続税の計算の基礎に算入した相続税額にその財産の価額がその相続人の課税価格に算入された財産の価額のうちに占める割合を乗じて算出した金額に相当する相続税について、その受けた利益の価額に相当する金額を限度として、連帯納付義務が課せられることとなっている。

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