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平成27年から「相続税」はこうなった!

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2. 改正「贈与税」のしくみ

新設されたもう一つの贈与

贈与といえば、「暦年課税贈与(以下、「通常の贈与」という)」と「相続時精算課税制度の贈与」、これまではこの2つであった。
しかしながら、「高齢者が保有する資産を現役世代に早期に移転させて経済を活性化させる」という観点から、今年度の税制改正において、
通常の贈与が、
①直系尊属から20歳以上の者(子や孫)への贈与(以下、「特例贈与」という)と
②①以外の贈与(以下、「一般贈与」という)とに区分され、
贈与税の税率もそれぞれ、別々の税率が適用されることとなり、併せて、贈与税の最高税率についても55%とされた。
この改正は、平成27年1月1日以後の贈与から適用される。

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新贈与税のしくみ

贈与税は、財産をもらった人が贈与税を納めるのだが、納めるべき贈与税額は、次のように計算することとなっている。

【贈与税の計算手順】
①贈与税の課税価格を求める
まず、贈与税の課税価格を求める。課税価格は、その年の1月1日から12月31日までの間に贈与によって取得した財産の価額を合計して求める。

課税価格=本来の贈与財産+みなし贈与財産-非課税財産

②贈与税の基礎控除を差し引く
次に①で求めた課税価格から贈与税の基礎控除110万円を控除する。この基礎控除後の課税価格(千円未満は切り捨て)に、これに対応する次の税率を乗じて算出した金額から、控除額を差し引いた金額が求める贈与税額となる。

【新贈与税のしくみ】 ※画像クリックで拡大します

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税率はこうなった

贈与税の税率は、①特例贈与と②一般贈与に分けられ、次のように別々の税率が適用されることとなった。そして、最高税率が50%から55%へと上げられた。

①特例贈与

現行の税率 特例贈与の税率
区分 税率 区分 税率
200万円以下の金額 10% 同左 10%
300万円以下の金額 15% 400万円以下の金額 15%
400万円以下の金額 20% 600万円以下の金額 20%
600万円以下の金額 30% 1,000万円以下の金額 30%
1,000万円以下の金額 40% 1,500万円以下の金額 40%
  3,000万円以下の金額 45%
1,000万円超の金額 50% 4,500万円以下の金額 50%
  4,500万円超の金額 55%

②一般贈与(これまでの贈与)

現行の税率 改正後の税率
区分 税率 区分 税率
200万円以下の金額 10% 同左 10%
300万円以下の金額 15% 同左 15%
400万円以下の金額 20% 同左 20%
600万円以下の金額 30% 同左 30%
1,000万円以下の金額 40% 同左 40%
  1,500万円以下の金額 45%
1,000万円超の金額 50% 3,000万円以下の金額 50%
  3,000万円超の金額 55%

この表を見ると、

①最高税率は上がったが、多額の贈与をするには、改正後は有利である
②特に、特例贈与は有利である

ことがわかる。事例で確認してみよう。

(例)1,610万円を贈与する場合

現行の贈与 改正後の特例贈与 改正後の一般贈与
(1,610万円-110万円)×50%-225万円=525万円 (1,610万円-110万円)×40%-190万円=410万円 (1,610万円-110万円)×45%-175万円=500万円

【現行の贈与税の速算表】

基礎控除、配偶者控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超 300万円以下 15% 10万円
300万円超 400万円以下 20% 25万円
400万円超 600万円以下 30% 65万円
600万円超 1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超 50% 225万円

【改正後の特例贈与の贈与税の速算表】

基礎控除、配偶者控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超 400万円以下 15% 10万円
400万円超 600万円以下 20% 30万円
600万円超 1,000万円以下 30% 90万円
1,000万円超 1,500万円以下 40% 190万円
1,500万円超 3,000万円以下 45% 265万円
3,000万円超 4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

【改正後の一般贈与の贈与税の速算表】

基礎控除、配偶者控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超 300万円以下 15% 10万円
300万円超 400万円以下 20% 25万円
400万円超 600万円以下 30% 65万円
600万円超 1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超 1,500万円以下 45% 175万円
1,500万円超 3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

なお、同じ年に一般贈与と特例贈与がある場合の贈与税の計算は、次のようにすることとなる。

①一般贈与について贈与税額を計算する(A)
②特例贈与について贈与税額を計算する(B)
③一般贈与の贈与税額を次の算式に基づいて按分する
(A)×一般贈与財産の価額÷その年中に贈与により取得した財産の価額の合計額(a)=(C)
④特例贈与の贈与税額を次の算式に基づいて按分する
(B)×特例贈与財産の価額÷(a)=(D)
⑤納めるべき贈与税額は③で求めた金額と④で求めた金額の合計額になる。

納めるべき贈与税額=(C)+(D)

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配偶者に贈与するのはトク!?

配偶者に対してはおトクな贈与がある。
「贈与税の配偶者控除」という制度であるが、婚姻期間が20年以上の夫婦に対して、1回限り、2,000万円分の居住用不動産が無税で贈与できるという特典が認められている。
適用を受けるための要件は、次のとおり。

結婚した日から贈与の日までの期間が、20年以上であること
贈与財産は、国内にある居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭であること
贈与を受けた配偶者が、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその居住用不動産に住んでいること
この特例の適用を受ける旨の贈与税の申告書を提出すること

なお、「居住用不動産を贈与するのと金銭を贈与するのとどちらがトクか」という質問をよく聞くが、この場合の不動産の価額は、取引時価ではなく、相続税評価により行うこととなっているので、通常は、取引時価より相続税評価の方が低いことから、不動産を贈与する方が有利となるケースが多い。また、土地と建物のどちらから贈与するのがいいかというご相談も受けるが、価値が下がる建物より、価値が下がりにくい(上がるかもしれない)土地から贈与したほうが有利といえる。
なお、非課税とされる金額は、最高2,000万円だが、贈与税の非課税枠が110万円別枠であるため、合計2,110万円まで、非課税で贈与することができる。結婚20年を過ぎたら、検討してみてはどうだろう。ただこの規定、夫婦共に財産が多い場合には、メリットがない(その財産に相続税がかかる)ので、やめておいたほうがよい。

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住宅取得資金の贈与にはメリットがある!?

父母や祖父母からの住宅取得資金の贈与には、メリットがある。
「住宅取得等資金の贈与税の非課税」という制度であるが、居住用不動産の取得又は増改築のための金銭のうち一定金額が非課税になるという制度である。子供や孫が家を建てたいと言ったら検討してみてはいかがだろうか。
要件は、次のとおり。

原則として日本に住所を有していること
贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であること
贈与を受けた者のその年分の合計所得金額が、2,000万円以下であること
贈与を受けた年の翌年3月15日までに、居住用不動産(増改築)を取得等して、そこに居住すること
配偶者や親族などからの取得等でないこと
一定の要件を満たす家屋もしくは増改築であること
平成24年1月1日から平成26年12月31日までにした金銭での贈与であること
この特例の適用を受ける旨の贈与税の申告書を提出すること

非課税となる金額は、住宅の種類と贈与を受けた年分によって、次のようになっている。

贈与年分
住宅の種類
平成24年 平成25年 平成26年
省エネ等住宅 1,500万円 1,200万円 1,000万円
上記以外 1,000万円 700万円 500万円

ちなみに、この規定は、通常の贈与又は相続時精算課税制度の贈与のいずれかと併用して適用することができるので、たとえば、平成25年に親から子へ2,000万円の金銭を贈与して、省エネ等住宅等を取得して、この規定と通常の贈与を受けるということであれば、2,000万円から1,310万円(この規定の非課税金額1,200万円[平成25年度]と通常の贈与の非課税金額110万円との合計額)を控除した690万円に対して贈与税が課税されることとなる。
なお、この特例は、贈与者が死亡した場合でも、非課税とされた部分の金額は、相続時精算課税制度又は通常の贈与のどちらを選択していた場合であっても相続税の対象にならないというメリットがあるので、活用できるようであれば活用するとよい制度である。

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教育資金の贈与は非課税に!?

これまで、教育資金の贈与には非課税枠がなかったが、今年度の税制改正で、父母又は祖父母等が子や孫(いずれも30歳未満に限る)に対して教育費として一括贈与した資金につき、1,500万円(学校等以外の者に支払われるものは500万円)を限度として贈与税を非課税とする制度が創設された。
要件と概要は、次のとおり。

①要件

直系尊属から子又は孫等への贈与で、平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間に行われるものであること
信託受益権又は金銭又は有価証券の一括贈与で金融機関の口座で管理されるものであること
教育資金管理契約に基づくものであること
受贈者は贈与を受ける日までに教育資金非課税申告書を金融機関経由で、受贈者の納税地の所轄税務署長に提出すること
受贈者が教育費として支払った領収書等を金融機関に提出して、それを金融機関が確認し、記録、保存すること
領収書は、支払日、金額、支払者(宛名)、支払者の氏名又は名称及び住所又は所在地、摘要(教育費の内容)が明らかにされているものであること

②概要

祖父母だけでなく、直系尊属(父母、曾祖父母等)からの贈与が対象になる。養父母は対象になるが、配偶者の直系尊属や叔父・叔母、兄弟は対象にならない。
口座は、受贈者が30歳になった日に締められ、残額がある場合は、その残額をその日に贈与したものとして贈与税が課せられる。また、受贈者が30歳になる前に死亡した場合は、その口座の残額には贈与税は課せられない。
学校等には次のものが含まれる。
・幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校
・大学、大学院
・高等専門学校
・専修学校、各種学校
・保育所、障害者通所支援事業が行われる施設、家庭的保育事業が行われる施設市町村が認定する児童保育事業、認定こども園
・外国にある日本の学校に相当する学校
・インターナショナルスクール等外国の施設のうち一定のもの
・水産大学校、海技大学校、海上技術短期大学校、海上技術学校、航空大学校、国立看護大学校
・職業能力開発総合大学校、職業訓練法人が設置する職業能力開発大学校・職業能力開発短期学校・職業能力開発校・職業能力開発促進センター、障害者職業能力開発校
対象となる教育費には、入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費、教育充実費、修学旅行、遠足費などで、学校等からの領収書があるもの(保育所の保育料で市町村の領収書があるものを含む)が該当し、このうち、学校等に支払ったものが1,500万円の非課税枠の対象になる。
業者などに支払ったもの(教科書代や学用品費、修学旅行費、学校給食費など)は対象にならないが、学校の教育に必要な費用で学生等の全部又は大部分が支払うべきものと学校等が認めたものは、500万円までの非課税の対象になる。
500万円までの非課税の対象には、上記二の他、次のような費用が該当する。
・塾や習い事など学校等以外の者に支払われる月謝、謝礼、入会金などの費用や施設利用料
・塾や習い事で使用する物品の費用で指導を行う者を通じて購入するもの(個人で購入したものは対象外)
塾や習い事の費用等は500万円を上限に教育費に含められ、これを合わせて総額1,500万円までが非課税となる。
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贈与税のかかる財産とは?

贈与税は、本来の贈与財産以外に次のような財産にも課税される。この財産をみなし贈与財産という。

①本来の贈与財産
本来の贈与財産には、金銭に見積もることのできる経済的価値のあるすべてのものが該当する。

②みなし贈与財産
また、次のような経済的利益についても、実質的に本来の贈与と変わらないことから、贈与税ではみなし贈与財産として贈与税の課税対象とされている。

  • イ 保険金受取人以外の者が保険料を負担していた生命保険金、損害保険金
  • 生命保険契約の保険事故又は損害保険契約の保険事故の発生により保険金を受け取った者が、その契約にかかる保険料の全部又は一部を負担していない場合には、その保険事故が発生した時に、その保険金のうち保険金受取人以外の者が負担した保険料の金額に対応する部分は、相続税が課されるものを除き、保険料を負担した者から贈与によって取得したものとみなされる。
  • ロ 定期金受取人以外の者が掛金を負担していた定期金に関する権利
  • 定期金給付契約(イを除く)の定期金給付事由が発生した場合において、その掛金の全部又は一部を定期金受取人以外の者が負担していた場合は、その定期金受取人が、その定期金給付事由が発生した時に、その定期金給付契約に関する権利のうち定期金受取人以外の者が負担した掛金に対応する部分の金額は、掛金を負担した者から贈与により取得したものとみなされる。
  • ハ 著しく低い対価で譲り受けた財産
  • 財産の譲渡をする場合に、著しく低い価額で取引をした時は、著しく低い対価で財産を譲り受けた者は、その財産を譲り受けた時に、その対価と財産の時価との差額に相当する金額を、その財産を譲渡した者から贈与によって取得したものとみなされる。
  • ニ 債務免除による利益
  • 対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で債務の免除、引受け又は第三者のためにする債務の弁済による利益を受けた場合には、これらの行為があった時に、その利益を受けた者が、その債務の免除、引受け又は弁済にかかる債務の金額に相当する金額を、免除等をした者から贈与によって取得したものとみなされる。
  • ホ 金銭の貸与等
  • 親族間等で金銭の貸与があった場合において、次のような事実がある時は贈与があったものとして取り扱われる。

    a 貸与等を受けた者に返済資力がない場合、又は資力が十分あり貸与を受ける必要がないにもかかわらず貸与を受けた場合
    b 一応は貸借であっても、返済期限の定めがない場合、又はいわゆる出世払いとしている場合、ある時払いの催促なしというような場合など、その返済が行われる可能性が極めて低く、実質的には贈与と変わらない場合
    c 第三者からの貸借で、その債務者に資力又は返済能力がないために、実質的には保証人となった親族等がその借入金を返済しているような場合
  • ヘ 同族会社に対する財産の無償提供等で株価が上昇した場合
  • 同族会社の株式等の価額が、次の事由により増加した場合には、その株主が、その株式等の価額のうち増加した部分に相当する金額を、次のそれぞれに掲げる者から贈与により取得したものとみなされる。

    a 会社に対して無償で財産の提供があった場合はその財産を提供した者
    b 時価より著しく低い価額で現物出資があった場合はその現物出資をした者
    c 対価を受けないで会社の債務の免除、引受け又は弁済があった場合はその債務の免除、引受け又は弁済をした者
    d 会社に対して時価より著しく低い価額の対価で財産の譲渡をした場合はその財産を譲渡した者
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贈与税のかからない財産もある!?

贈与税は、すべての財産に課せられるわけではなく、次のような財産は対象にならない。

  • ①法人からの贈与財産
  • 法人から贈与を受けた財産は、贈与税の対象ではなく、所得税の対象になる。
  • ②生活費等
  • 扶養義務者相互間で、生活費又は教育費に充てるため贈与した財産のうち、通常必要と認められる範囲のもの
  • ③心身障害者共済制度に基づく給付金の受給権
  • 条例の規定により、地方公共団体が、精神又は身体に障害がある者に関し実施する共済制度で一定の定めに基づいて支給される給付金を受ける権利
  • ④香典など
  • 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞い等のための金品のうち、社会通念上相当と認められるもの
  • ⑤相続の年に被相続人から贈与を受けた財産
  • 相続があった年における被相続人からの贈与(相続税の対象となる。ただし、配偶者控除の対象となる贈与財産や相続を放棄した者など相続税が課税されない者に対する贈与は除かれる)
  • ⑥特定障害者の信託受益権
  • 特定障害者の信託受給権の価額のうち6,000万円(又は3,000万円)までの金額
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贈与税のかからない贈与もある!?

財産をもらったら贈与税がかかる。これはいわば当たり前のことだが、贈与税のかからない贈与も実はある。法人からの贈与がそれだ。それはいい、是非やろうと思われるかもしれないが、法人からの贈与には、業務に関するものや継続的に貰うものを除き、一時所得として所得税がかかることとなっている。
一時所得は、次の算式で求めることとなっているが、場合によっては贈与税より有利になることもあるので、一度検討してみる価値はある。

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こんな場合にも贈与税がかかる!?

贈与とは、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思表示をし、相手方がこれを受託することによって成立する契約のことをいうが、次のような場合も贈与として取り扱われることとされている。

イ.不動産や株式等の名義変更があった場合において対価の授受がなされていない時
ロ.他人名義で不動産や株式を取得した場合

また、次のような場合には、外見的な形式ではなく、その実質に従って判断されることとなる。

ハ.親名義の不動産や株式などを子供に贈与したが、形式的には親子間の売買として名義変更した場合
ニ.親が新たに不動産や株式などを他の者から取得し、これを子供に贈与した場合において、登記上、子供が直接売買により取得した形式をとっている時
ホ.妻又は子供が不動産や株式などを直接他の者から取得し、自分の財産とした時において、その買入資金が夫又は親から出ている場合

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国外財産の贈与はこうなった

贈与税では、これまで、国外財産は次のように取り扱われ、一定の要件をクリアすれば贈与税がかからなかった。

①受贈者が日本国籍を有していなければ、国外財産は贈与税の対象にならない。
②受贈者が日本国籍を有していても、贈与者とともに相続開始前5年以内に国内に住所を有していなければ、国外財産は贈与税の対象にならない。

しかしながら、子供などを海外に住まわせ、外国籍を取得させ、国外の財産を贈与すると贈与税が課税されないということもあって、今年度の税制改正では、次のように改正されることとなった。

①受贈者が日本国籍を有しておらず、贈与者とともに住所が国外にある場合は、国外財産は贈与税の対象にならない。
②受贈者が日本国籍を有していても、贈与者とともに贈与開始前5年以内に国内に住所を有していなければ、国外財産は贈与税の対象にならない。

平成25年4月1日以後の贈与からは、受贈者の国籍が国外であっても贈与者の住所が日本であるときは、国内だけでなくすべての財産に対して贈与税がかかることになるので注意が必要だ。

【贈与税の納税義務者と課税財産の範囲(改正後)(平成25年4月1日以後)】

贈与税の納税義務者と課税財産の範囲(改正後)(平成25年4月1日以後)

(注)国籍が国外のほかに日本にもあるという、いわゆる二重国籍者は国籍が日本として取り扱われる。

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相続開始の年にする配偶者への贈与はトク!?

相続税では、相続人が被相続人から贈与を受けた財産で、被相続人の相続開始前3年以内のものは、相続税の課税価格に算入することとなっているが、相続開始の年に配偶者が被相続人から贈与により取得した居住用不動産又はその取得資金のうち一定の金額(最高2,000万円)は、例外的に相続税の計算に含めなくてよいこととなっている。
つまり、贈与税の配偶者控除の適用を受けようとして居住用不動産又はその取得資金の贈与をしたが、その年に相続が起こってしまったという場合には、相続税の課税価格に算入せず、贈与税の配偶者控除の適用が受けられるということである。贈与税の配偶者控除の適用が受けられるようであれば、是非検討してみるとよい。
ただし、この適用を受けるには、贈与税の配偶者控除の適用を受ける旨の申告書を提出しなければならないので、忘れずにしていただきたい。

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相続開始前3年以内の贈与にも贈与税がかかる!?

相続開始前3年以内にした贈与は、いったんその財産を相続財産に加算して相続税額を計算して、納めた贈与税がある場合は、その税額相当額を控除して納める相続税額を計算する。しかし、必ずしもすべてがすべて相続財産に加算するわけではない。
この対象となるのは、相続又は遺贈(死因贈与を含む)により財産を取得した者が、その相続に係る被相続人から相続開始前3年以内に贈与により財産を取得した場合であるから、それ以外の者については、相続財産に加算することなく贈与税の申告をすることになる。
すなわち、相続人でも、相続で財産をもらわなかった者については、相続開始前3年以内の贈与でも相続財産に加算することなく、贈与税の申告をして終わりになるのである。
こんな贈与もアリかもしれない

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特定障害者に対する贈与はこうなった

贈与税では、障害者に対して、心身障害者共済制度に基づく給付金受給権のほか、特定障害者に対する信託受益権について非課税措置を設けている。
概要は、次のとおり。

特定障害者に対する信託受給権の非課税制度とは、特定障害者を受益者とする特定障害者扶養信託契約で、次の要件を備えたものに基づき、金銭、有価証券、金銭債権その他の財産が信託された時は、その信託受益権の価額のうち6,000万円(特定障害者のうち特別障害者に該当する者が対象)までの金額は贈与税がかからないというものである。

【要件】

特定障害者のうち精神又は身体に重度の障害がある者で一定の者(特別障害者)が、信託受益権の全部の受益者となっていること
信託財産が、金銭、有価証券、金銭債権、その特定障害者の居住の用に供する不動産その他一定のものであること
受託者は、信託会社又は信託業務を行う銀行であること
信託期間は、特定障害者の死亡の日(改正前は死亡の日後6ヶ月を経過する日)に終了するものであること
信託契約は、取り消し又は解除することができず、かつ、その信託期間及び受益者の変更ができないものであること
信託の収益は、特定障害者の生活又は療養の費用に充てるため、定期的に、かつ、実際の必要に応じて適切に分配されるものであること
信託財産の運用は、安定した収益の確保を目的として適正に行うこととされているものであること
信託受益権は、譲渡に係る契約を締結し又は担保に供することができない旨の定めがあること
贈与税の非課税の規定の適用を受ける旨、その他必要な事項を記載した「障害者非課税信託申告書」を所轄税務署長に提出すること

今年度の税制改正では、その対象がこれまでの特別障害者に加えて、特別障害者以外の特定障害者についても、一定の非課税措置が設けられた。
この改正は、平成25年4月1日以後の贈与から適用される。

【新たに追加された適用対象者(特定障害者)と非課税限度額】

適用対象者 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター又は精神保健指定医の判定により中軽度の知的障害者とされた者及び精神障害者保健福祉手帳に障害等級が2級又は3級である者と記載されている精神障害者
非課税限度額 3,000万円
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法人への贈与にも贈与税がかかる!?

法人に贈与したら贈与税がかかるの?
時々聞かれることだが、法人への贈与は、原則として、贈与税がかからない。その代わりに法人税が課せられることとなっており、贈与した個人では、譲渡所得税がかかる(譲渡所得税の対象になる資産の場合)ことになっている。
ただし、一定の法人については、個人とみなして贈与税が課せられることもある。
まとめると、次のようになっている。

①受贈者の課税

一般法人 益金に算入されて法人税の課税対象に
人格のない社団又は財団 個人とみなして贈与税の対象に
持分の定めのない法人 贈与により特定の者の贈与税が不当に軽減されると認められる場合は、個人とみなして贈与税の対象に

(注)公益事業者に対して公益事業用財産を贈与する場合は非課。

②贈与者の課税

個人から一般法人 みなし譲渡所得課税
贈与により株価が上がる場合は株主に対して贈与税課税
個人から人格のない社団
又は財団
みなし譲渡所得課税
個人から持分の定めのない
法人
みなし譲渡所得課税
国税庁長官の承認を受けた場合は非課税
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負担付贈与はトク!?

負担付贈与とは、受贈者に一定の債務を負担させることを条件にする贈与をいい、個人から負担付贈与を受けた場合は、贈与財産の価額からその負担額を控除した価額に対して贈与税が課税されることとなっている。
したがって、たとえば、親が1,000万円の上場株に借金500万円を付けて、子供に贈与するという場合には、差額の500万円が贈与税の対象になるのである。この場合の財産の評価額は、相続税評価額によることとなっている。
そうなると、じゃあ、不動産に借金を付けて贈与すれば、タダで贈与できるじゃんと思われるかもしれないが、贈与された財産が土地や借地権などである場合及び家屋や構築物などである場合には、その贈与の時における通常の取引価額に相当する金額から負担額を控除した価額によることとなっているので、なんらうまみがない(借金して不動産を購入するのと同じ)。
ちなみに、負担付贈与の負担額が第三者の利益に帰すときは、第三者が負担額に相当する金額を贈与により取得したとして取り扱われる。

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生前贈与と死因贈与、どう違う?

贈与というのは、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思表示をし、相手方がこれを受託することによって成立する契約をいい、贈与者が生前に行うものである。
これに対し、死因贈与とは、贈与契約は生前に行われるが、「私が死んだら、あなたに○○をあげましょう」という内容のもので、贈与者の死亡を原因とする条件付贈与契約である。
生前贈与は、取り消しができないのに対し、死因贈与は遺言でその契約を取り消すことができる。相続税では、生前贈与には贈与税が課される(相続開始前3年以内の贈与や相続時精算課税制度の適用を受けた一定の贈与は相続税の対象になる)が、死因贈与は、遺贈と同様に取り扱われ、相続税が課される。
課税対象となる財産の評価は、贈与についてはその贈与時の価額となるが、死因贈与は贈与時の価額ではなく、その贈与者の死亡時の価額によることとなる。

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遺贈と死因贈与、どう違う?

遺贈とは、遺言で財産をあげることで、死因贈与とは、死亡を原因として財産をあげるという契約である。どちらも財産を無償であげるもので、かつ、贈与者の死亡によって効力が生じるという点では似ているが、遺贈は贈与者の単独行為で、一方的な意思表示であるのに対し、死因贈与は贈与者と受贈者とで交わした贈与契約であるという点で相違がある。
これらの両者、法律的には全く別物であるが、内容的には非常に似ていることもあって、民法では、死因贈与は遺贈の規定に準じて取り扱うこととなっている。
そしてまた、相続税の取扱いも同様に取り扱われることとなっている。

遺  贈 死因贈与
① 遺言で行う一方的な財産の無償譲渡である 当事者間で行う贈与契約である
② 遺贈の放棄はできる 財産を放棄することはできない
③ 内容はわからない 贈与財産が明確である
④ 遺言が無視されることもある 引渡しが確実である
⑤ 遺言の撤回は新しい遺言を書かないと
できない
遺言で撤回ができる
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贈与税の申告と納付は?

贈与税の申告書は、贈与年の翌年2月1日から3月15日までの間に納税地を所轄する税務署長に提出しなければならないこととなっている。そして、贈与税の申告書を提出した者は、贈与税の申告期限までに、その申告書に記載した贈与税額を金銭で納付しなければならない。
ただし、贈与税額が10万円超で、金銭納付が困難である場合には、次の要件を満たすことによって、最長5年まで延納することが認められている。

【延納の要件】

担保を提供すること(延納税額が50万円未満で、かつ、延納期間が3年以下の場合は除く)
贈与税の納付期限までに延納申請書を提出すること
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